三國連太郎さん、素敵な方でした。
穏やかに、おだやかに時々キラリといろいろなお話しを聞かせて下さいました。お手紙と色紙を送って下さった時、色紙に「藝は宇宙を物語る至上のもの」 と書いてありました。力強い字で…どこまでもどこまでも役者も歌手も終りなく果てしなく続き、探し挑戦して行く これこそ至上の歓びという事だったのでしょうか。もっともっと、教えて頂きたいこと沢山ありました。
瞽女さまの役を舞台でやった時、「景色や気配を耳だけでなくもっと顎から感じたらいいですよ」とか白のコンタクトをつけては…と教えていただき舞台に立ったら本当に何も見えなくて早変わりの舞台転換でセットにぶつかり転んだのも嬉しい思い出です。
水上勉先生の「三國はええ男だぞ…」とおっしゃったお顔も思い出します。飢餓海峡の歌芝居を作った時も三國さんの映画を拝見しながら杉戸八重を想像しました。
三國さんのお顔を拝見していると静かに何かを追求しているようです。崇高に美しいです。
お会い出来たこと幸せに思います。ありがとうございました。そしてこれからも奥様ともこさんと仲良くさせて頂きます。
石川さゆり