吉岡治さんを偲ぶ

皐月晴れの爽やかな日に今年はなかなか会えませんね。あっ!という間に5月も半分過ぎました。5月17日今日はふと色々なことを思いました。

2010年5月17日
「天城越え」をはじめ「波止場しぐれ」「大阪つばめ」「滝の白糸」「酔って候」「飢餓海峡」…書ききれない、100曲を越え、私に素晴らしい日本の心を作詞して下さいました吉岡治が亡くなられた日です。

仕事先からご自宅へ伺った時の事、あれこれと思い出します。
お坊さまが来てくださってお経をあげてくださった時、やり場のない悲しさと寂しさいろんな思いが無い混ぜになって、流暢に流れるようなお経にまで苛立ち、お坊さまにまで「普通な通りいっぺんのお経を上げないでください。大切な吉岡さんです。心を込めて下さい。」と言ってしまい、奥様に「お坊さんに説教する人なんていませんよ。」と叱られたのを思い出しました。

今年は13回忌なのだと思いますが、コロナ禍もあるのでしょうか皆んなで集まり吉岡治さんを語りながら偲ぶ事も出来ませんでした。吉岡治さんの詞には日本人の心の機微、優しさや汗の匂いもします。私のいろいろな日を一緒に喜んで下さったり、見守って下さいました。今どんな歌を歌いなさいとおっしゃったでしょう…と思いながら一人で手を合わせました。

これからも、吉岡治さんに頂いた歌を大切に歌います。もうコロナ禍を越え、ステージも、もっと皆さんに歌を届けに行きたいと思いますが

「そんなに、思うようにはいかないよ。」と笑った吉岡さんのお顔を思い出します。
どうぞ空のずーっと高いところから見ていて下さいね。

石川さゆり

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