目下、今夏発売予定の『X-CrossⅢ-』レコーディング中のさゆりさんですが、
それだけではありません。
3年後の東京オリンピックに向け、密かに別プロジェクトを絶賛、推進中!
インバウンドという言葉がすっかり定着しましたが、訪日外国人の数はオリ
ンピックに向け、さらに増え続けることが予想されています。
海外旅行にでかけると、必ず訪問先の音楽を買って帰るというさゆりさん。
だからこそ、いつも自分がそうするように、オリンピックで日本を訪れる海外
のお客様に「お土産」として持ち帰ってもらえるようなアルバムを作りたい、
と思ったそう。
そのひらめきから実はいま、日本の曲を3年がかりでレコーディングし、アルバ
ム化するプロジェクトを併走して制作しているのです。題して「さゆり的インバ
ウンド計画」。
「海外のお客様がおみえになった時、ねえ、日本ってどんな国なの? 日本を代
表する音楽って何? と尋ねられたとき、『どうぞ、これを聞いてくださいね』
と差し上げられるお土産をつくりたいんです」と意欲満々のさゆりさん。
さゆりさんが考える、日本を発信する、日本の歌って一体どんな曲なのか。
気になります。
こうしたさゆりさんの中長期的なプロジェクトは過去にもありました。
その代表格といえば『20世紀の名曲たち』全10集。20世紀から21世紀のカウント
ダウンがはじまることを見越して10年がかりで110曲の名曲プラスワンを収めた
アルバムです。
「あの時は、先輩たちが残してくれた日本の名曲を残したいな、という思いからで
した。高度経済成長期をはじめとするあの当時の空気感の中で、いつも時代ととも
にあった歌を後世に伝え、残したい。いわば、さゆりの国土計画みたいな気分で歌
いましたね(笑)。先輩たちの名曲110選に最後に1曲だけ私の歌『津軽海峡・冬景
色』を加えた111曲をアルバムに閉じ込めました」
過去の思い出としてのメモリアルにするのではなく、いまを生きる石川さゆりを
表現した未来へのメッセージであることが肝心。さゆりさんはいつもそう言います。
10年かけて110曲を歌い分ける歌い手としての執念もすごいですが、果たして110曲
のレコーディング中、さゆりさんの脳裏にはどんな思いやどんな光景が浮かんでいる
のやら。気になります。たとえば、ステージで『津軽海峡・冬景色』を歌うたびに
毎度毎度、頭の中に竜飛岬を思い浮かべているのかな?とか……。ちょっと、気に
なりますよね。
次回はそんなことを訊ねてみます。