「石川さゆり新春特別公演」の第一部『夫婦善哉』は言わずと知れた織田作之助
の名作です。ただいま中日劇場にて柳吉&蝶子に連日扮するは石川さゆり&西岡
德馬の新コンビ!
「蝶子さん」に寄せるさゆりさんの秘めたる心意気を聞いてきました。
「これまでも森繁久彌さん、淡島千景さんはじめ、いろいろな方がおやりになっ
てきたこの作品を「石川さゆり」が演じるのならば。シーンの中で「歌」が聞こ
えてくる、音楽性を感じられる。そんな舞台にしたい、という思いがあります。
ひとつの歌が聞こえてくることで皆が共有できる思いみたいなものが空間に広が
ります。何の説明をしなくても時空や空間をポンと超えて、当時の時代背景や人
の気持ちがクローズアップされる。そんな舞台を演れたらいいですね。主人公の
蝶子は一生懸命、本気で生きています。私はそんな女性が好きです。
一生懸命ゆえの可笑しさもあって。たとえ間違いがおきたとしても、何だか可笑
しかったり、健気だったり。健気さを自分でわかって健気を演じているような人
は愛おしくもなんともないですから、やはり何事にも本気で向き合っている蝶子
を本気で演じたい。そう思います。
柳吉役の西岡德馬さんはシリアスな部分の中にも軽やかさを感じさせる方。
前回もご一緒していますが、今回はどんな風に石川演じる蝶子と交ざり合えるのか。
千穐楽まで日々、進化させながら、共に楽しみながら、舞台をつくってまいります」
中日劇場で1月24日(水)まで熱演中!