*好奇心のアンテナ

 芸術選奨 大衆芸能部門にて文部科学大臣賞を受賞したことを受け、
その喜びをさゆりさん自身は「ご褒美をもらったみたい」と表現して
いましたが、実はこの1年間、さゆりさんの背中を追いかけてきた我々
にとって、これだけは「逆立ちしても追いつけない」と思うことがあり
ました。それは、さゆりさんの好奇心のアンテナが動くスピードです。
歌舞伎に芝居に演奏会……。興味の赴くところ、東へ、西へ。颯爽と
出かけて行くその行動力はスタッフも舌を巻くほど。たとえどんなに
スケジュールが詰まっていても、どんなに疲れていても。とにかく、
その場に出向いていくバイタリティたるや!

「美術館や芝居小屋など思いがけないところでさゆりちゃんとお会いす
ることが多くてびっくりされられます」と女優、加賀まりこさんがある
インタビューで仰っていましたが、本人曰く、「やはり、動かないと」。

「動かないと面白いことは見逃すし、やっぱり、リアルにいま起きている
場所へ行ってみたい。『あれ、熱いらしいよ』とか『いい匂いがするらし
いよ』じゃダメなんです。自分の目で見て、聞いて、学びたい。コンプレ
ックスなのかな(笑)」

 さゆりさんにとって、現場で見聞きしたことの全てが「つくるため」の
エネルギーとなるのだと言います。

「あ、この人いいな。ご一緒したいな、と好奇心のアンテナが立つと、
まずiPadで徹底的にリサーチします。ストーカーみたいに(笑)。
そして会いに行くんです」そのためなら、海を越えることなど、なんのその。
『X-Cross Ⅲ-』でご一緒した大江千里さんも、さゆりさんがニューヨーク
に訪ねてきた際の、そのフットワークの軽さに驚いたとか。「楽しみながら、
いつもつくることを考えている」。

止まることを知らないさゆりさんの好奇心のアンテナ。今日は何に感応して
いるのやら。まだまだ目が離せそうにありません。

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